万力によるLGA1151の殻割記事になります。今では専用ツールが存在するうえ、基板が薄くなっていますのでこの方法はあまりお勧めできません。
万力を使った殻割を行う場合、挟み方にコツがあります。
片方はIHS側に、もう片方は基板にというように接触面を変えることによって圧力をかけてIHSをずらして外すという手法で、今の殻割ツールのルーツと言えます。
まずは上記の手法でCPUを万力にセットする
固定の仕方が重要で、画像のように片方をヒートスプレッダ(HS)、片方をCPUダイになるようにしてセットする
セット時は固定できれば良いのであまり力をいれて固定しない
熱を加えて外しやすくする
画像くらいの距離でドライヤーでヒートスプレッダ部分にあたるように熱風を当てていきます。
このときずっと同じ箇所に連続してあてると壊れますので、ドライヤーを左右に動かしたり、距離を少し離したりして同じ箇所にずっと高温があたり続けないように注意してください。
手で触れてみながら熱さを把握する
- ドライヤーをあてながら、ヒートスプレッダの表面を指で触ってみて熱くなりすぎてないか確認する。
- ぬるすぎてもだめなのでかなり熱いなと思うくらいで構わない
- 満遍なくドライヤーをあて、30秒くらいあてていき、一度ドライヤーを止める。ヒートスプレッダに当たった熱がゴム部分に熱伝導させるためだ。
- すこし時間を置いてまたドライヤーをあてていく
- だいたいこれを3~5回くらい繰り返す
※温める理由は接着されている材料がゴムのような材質で温めることで外しやすくなるため。
万力を操作する
万力のレバーを回しゆっくり回していきます。一度にやると突然外れてCPUが飛んでいきますから、慎重に行います。
万力はある程度抵抗がかかったところで、万力を締める方向に2~3回転回し少し緩めるを繰り返します。
これを繰り返し何回か繰り返すと、少し軽くなります。
※(無理だなと思ったらそのままやらずにドライヤーの手順に戻ってください)
回るときに締める方向に少し力が抜けたようになったら、ヒートスプレッダが外れるので、万力からCPUを取り外し、後は手でヒートスプレッダが外れます。
手でIHSを外す
無傷でヒートスプレッダが取ることができました。
ゴムシーリングを除去する
接着剤は柔らかい樹脂なので、爪やつまようじを使うことで簡単に剥がれます。
※スクレーバーや金具を使うと基板が傷つくので使ってはいけません。
表面処理
きれいに剥がれました。
ヒートスプレッダ側のほうは戻すときに位置がわからなくなるのであえて剥がさす、そのままにしておいたほうが良いでしょう(グリスも)
剥がれたらあとは無水エタノールなどで基板上を軽く拭いて終了。
これで殻割のレシピは終了です