このパーツがキワモノになる理由はCPUクーラーの部品がヒートシンクとFANに分かれているところ、このクーラーはヒートシンクそのものが回転するという理由にあります。
メリットはヒートシンクそのものがファンの役割をすることで高さを抑えるということにあります。肝心の冷却性能ですが、ヒートシンクの回転部分の面積が今一つなのか、FANを付けるタイプと比べても冷えるわけではありませんでした。
販売当時の記事
この商品は2014年に発表・発売されました
http://jp.techcrunch.com/2014/12/10/20141209coolchip-technologies-is-redesigning-the-humble-computer-fan/
http://www.gdm.or.jp/review/2016/1213/187857
当時の動画
実際に組み立ててみた
ASUSのROGマザーに組み込んでみました。
このクーラーはTDPが75Wまでなのでi7シリーズには使えませんが、あえてi7の875Kで組んでみました。
動作環境
- Asrock P67ToranceFormer
- Intel 875K(Non-OverClock)
- 設定 すべてデフォルト
- 室温 22℃
UEFI上のFANコントローラで制御し、温度はアイドルで50℃ Level9のデフォルト値を使ったが最初から高回転になりうるさかった。実際の温度も50℃超えているようでぶんまわしでファンにあたる部分は全開で回っている。
やはり95wのCPUではちょっと厳しいのかもしれない。
音の雰囲気は945GCLF ATOMのチップセットファンと同じようなレベルで、温度もすでに60℃を超えていて下がる気配はなかった。
このままPrime95を回してみる
Primeを回してみたがあっという前に90℃を超えたので終了した
FANにあたる部分の音量
動画にあげてみたので実際に聞いてみてください。
CPUをTDP75w以下対応のものへ変更
- ASUS MaximusGENE-Z
- Intel Corei3 2105(TDP65w)
- 室温 20℃
規定より10w低いということでこの仕様でやってみた。
BIOS設定はほぼデフォルトでBIOS上のQFANの設定だけをEnableにし、他の設定はすべてデフォルトのままとした。
FANの音量に明らかな違いが出た
起動からP67と違い、”びっくり”するほど静か。ASUSのコントローラも素晴らしいが、温度が上がらないためファンの回転も上がらないようだ。
今回はリテールクーラーと比較するために両方の動画をあげました。
負荷テストを実施
温度変化
Core1 61℃
Core2 60℃
■idle Core1 31℃ Core2 30℃
ボード上の温度を放射温度計で計測
- 中心部 25.7℃
- 内周部 27.2℃
- 外周部 44.5℃
中心部は密度と高さがあるので熱が伝わってこないのか温度は低いが外周部にいくにしたがって温度が上がっている。熱をうまく外側へ押し出していると思われる温度分布は記事の通りで間違いないと思う。
- マザーボード&VRM 42℃
- PCI-E×16 47℃
ただし、その分風がなく熱い空気がそのまま外側へ漏れ出ており、冷やす環境がないのかVRMやPCI-E周りは温度が少々高いようだ
まとめ
この検証結果からTDPが75W以下なら、実用に耐えうると思われる。
温度上昇が極端にない限り、最高回転にはならないがPrime95を回してもi3-2105では
最高回転にはならなかったことでとても静かな状況で運用できた。
見た目の派手さもあることから、魅せるITXとしてのパーツ構成に面白みが出た
※TDPの高いものでは使用には厳しいということを改めて伝えておきます