RYZENでサブPCを作り、快適なPC生活を

サブPC、よく聞く言葉です。
メインPCを新しくしたり、パーツ構成を増やしていく過程で余ったパーツができ、もう一台PCができる。

私のPCのサブ環境も同様ですが、今のところサブPCは2500KとH67のITXマザーで作ったものを使っていました。
そろそろ制作して5年たちます。別に不便というほどでもないのですが、やはりちょっとしたディスクコピーやエンコード、動画編集などもメインPCを起動せずやってしまうことも多々あります。というか、メインPCを動かすタイミングを失い、すぐに起動して普段から使っているサブPCの場合、メールやWebサイトの閲覧履歴が残っていることから、いつまにかスペック落ちしたサブPCは、スペックはサブでも使用はメインになっているということもあるでしょう。

今回はRyzenのサブPCを作って環境を新しくしようと考えて行いました。
といっても1500Xでも1600でもなく、1700です。8コア16スレッドのサブPCともなれば、メインPCとの差別化もないも同然ですが、毎日常時使っているPCですから、省電力化で最小限の無駄に抑えつつ、使い勝手は悪くしないというコンセプトで考えていきます。

サブPCの考え方(あくまで私個人の考え方です)
■使い勝手が良いようにスペックを落としすぎないこと(Web作成、ビジネス文書、ちょっとした動画閲覧)
■省電力であること(アイドル時50W以下)
■長く使えるようにOCはほどほどにすること(データ保管重視)
■うるさくないこと(FANはつけても800~1200rpm以下で30db以下)
■コンパクトであること(ITXマザーやITXケースで、移動が簡単なこと)
■USBなどから多様性のあるデバイスを装着できて使えること

ということで今回の構成は以下から
※飾りは必要ないので、今回はきちんとケースに入れて使います。
まず、黒鼓を候補に挙げて、購入しましたが、このケースどう考えても簡易水冷のラジエターを設置する場所がありません
基本は、ケースFANのある所にラジエターをくっつけるのですが、そのケースファンがケースの柱はフレームの中に入っていて
そこへ装着できませんでした。 ですのでこの黒鼓は今使っている2500Kを非常用として使うために、空冷に変更し移設しました。
※内容は今度また報告します。

■CPU RYZEN7 1700
■M/B BIOSTAR RACING X370GTN
■MEM GALAX HOF4CXLBS4000M19SF162C
■SSD Samsung 840EVO 250GB
■DVD パイオニアBDL
■HDD HITACHI 500GB 2.5インチHDD
■VGA XFX Radeon R7 250 Low Profile 2GB GDDR3
■Power SilverStone SST-ST45SF
■CASE LIan Li PC-Q11
■Cooling CORSAIR H60 ※FANを15mmタイプへ変更

組み込み時最初に引っかかったのが厚み
ごらんのとおり、このケースは140mmタイプ、H60は120mmのラジエターとFAN構成なので変換アダプターが必要
アダプターとラジエター、そしてFANを付けた状態だと、1~2mmとほんのわずかな空間がたりません。
AMDはソケットが縦長になったため、その分メモリソケットが外側にずれたために、そこにくるラジエター部があたります。
※Intelの場合は大丈夫でした
無理に押し込めば入りもしますが、メモリやメモリソケットに結構な負担を掛ける上に、発熱元を密着させるわけにもいきません

25mmタイプのFANをいったん外しこの15mmタイプへ変更

装着しなおした結果

結構余裕ができて、すっきり収まりました。
ただ、このFANはPWMではないので、コントロールできるかまだわかりません。たいていのマザーは3PINでもコントロールできますが。

空いた空間ができた

配線処理と配置

しっかりすべて収まりました

ここで一度動作テスト
が・・・ いろいろ問題点が出てきました。
  1. このマザーでは3PINでのFANコントロールが一切できない(1200rpmフル回転)
  2. 窒息ケースではないが、やはりVRM部の温度が異様に高い(OCCT-LINPACKではデフォルトでもあっというまに80℃超え)
  3. 8コアを舐めてたのか、排気温度が異常に高く、吸気のためケース内がすぐに暖房状態
  4. XFXのFANが小さいため、意外にうるさい(性能重視して710から乗り換えたため)

ということでこれらの改善点が必要になりました。

FANコントロール

AINEX Slimfan PWM対応 [ 120mm角 ] AK-FN078A

この4PIN制御のFANに交換し、 これで制御ができるかと思います。

VRM部の発熱温度への対応

この部分は放熱ゴムなどをつけたくらいでは温度低下はしませんでした。
ITXケースはそれだけで熱だまりが多く発生します。
画像の中央部分をご覧ください、8cmのCPUをFANを直接VRMの置いて、タイラップで固定しました。

8コアを甘く見ていたため、排気温度が異常に高く、吸気のためケース内がすぐに暖房状態に。
これはラジエターFANを吸気から排気に変えました。というのも吸気してもそもそもラジエターが相当熱いです。
こうなるとと吸気で平常気温の空気を吸っても内部で熱くなってしまうため、排気にすることでケース前面のサイドから輩出し、空気そのものは下部の吸気口から吸わせることで温度の低い空気をVRMあたりに追加できると思いました。

XFXのFANが小さいため、意外とうるさい

これはMSIにあるユーティリティ、アフターバーナーというソフトで制御します


ということで前回の4つが解決に向かいました。
ここでBIOS関連の設定です。
ところで、CPUFAN、ラジエターポンプ、VRMFANと 電気周りが3つありますが、BIOSTARのマザーには電源pinが2つしかありません。そこでペリフェラルから3PINへ変換し、これをラジエターポンプにつなぎCPUFANはCPUFANコネクタに、VRMに直接当てたFANはSYSコネクタに接続しました。

BIOSからFANControlに行き、CPUとSYSファンのキャリブレーションを行い設定値が出た後、
FANコントロールをマニュアルに変え、CPU側を10-20-45-36 SYS側を 10-20-50-36としました。
これはVRMのほうがCPUよりも早く熱くなるため、45の部分がSYSの50より小さくしておくことでCPU側のFANが早めに高回転になるように考えました。これでCPUが先にたくさん回ることでVRM付近熱を早く出せるかと考えました。

デフォルトクロックでの結果

(室温24.5℃)起動直後のアイドル状態

OCCT-LIPACK(目安なので時間は20分程度)

  • CPU最大 56.5℃ 
  • VRM 69℃

簡易水冷だとCPU温度がかなり低いです。空冷だとあと10℃くらいは高くなります。
VRMは極端に低くなりました。まな板よりもさらに10℃くらい下がりました。

OCしてみる

初めは37倍程度を考えてましたが、定格ですでに69℃ですからちょっと余裕をもって35倍にしました。

  • CPU最大 71.8℃ 
  • VRM 87℃ 

やはり35倍でもこれだけ熱くなります。当初のOC状態では簡単に100℃を超えましたが、これならよほど無茶しない限り使えそうです。おまけに、FANコントロールがとてもよく聞いていて、恐ろしく静かです。
これは逆に箱にきっちり収めたのでFANの音もさらに小さくなったことも影響します

CINEBENCH程度の負荷だと

  • CPU最大 52.8℃ 
  • VRM 53℃ 

ほとんど支障ないレベル

PCの外観

この箱レベルでサブPCができました。
とても小さくてコンパクトなサブPCです。
※ケース Mini-Q ブラック ミニタワーケース PC-Q11B