簡易水冷VS空冷

どちらが冷えるのか

よく掲示板などで話題になります

システム自体は冷却の特性にあります。空冷は長時間の冷却に対して随時冷却能力が変わりませんが急激な温度上昇には対応できません。簡易水冷は一度クーラントを経由する分、急激な温度変化でもある一定の冷却能力を誇りますが、ラジエターの能力限界が来ると冷却能力は格段に落ち込みます。

段階的に温度上昇が遅れる簡易水冷が冷却能力が優れるという錯覚をしますが、実際には大差はありませんが、突然の高熱でも水冷によって少しは吸収できるメリットがあります。

冷却に使用するラジエターやCPU側に装着する水枕と呼ばれるものの性能がよくなって、最近は簡易水冷もよく冷えるようになりましたが、空冷のほうもヒートパイプと呼ばれる冷却装置の進化によってそれも簡易水冷に近くなりました。

オーバークロックにはどちらが向いているかというと、どちらもさほど変わりませんが、

HaswellからのAVX2実装により、負荷ソフトがメモリ周りに極端に負荷をかけるようになり、温度上昇が極端になったため簡易水冷のほうが若干ですが、性能が良いと思われます。

どれもオーバークロックをつめて性能をあげていくとどちらの冷却システムも冷却能力が足りなくなる限界は早いです。簡易水冷はある一定の温度に達するとその温度域からなかなか下がらなくなります。たとえば、多大な負荷を長時間かけた後は水温が上昇し、その温度が下がるまでに時間を要するため、その間アイドルの温度が高いままになります。空冷は熱交換が早く、液体を持たないので、アイドル時の温度は簡易水冷に比べて早く低くなります。

さらなる冷却が必要だ、そういう場合に本格水冷が存在します。

瞬間芸で、一時的に極端にクロックを上げて動作を競うオーバークロック大会などでは更に冷却能力の高いLN2と呼ばれる液体窒素や、ドライアイスなどが使われることもありますが、これは常用できる範囲のものではありません。結露やショートの危険性があるからです。

あくまで記録を作るためのものと考えればよいでしょう

チラー冷却と呼ばれるものがあります。これはペルチェ素子を用いた冷却手段ですが、これは発熱側と冷却側が背中合わせになるため、片側の発熱側の処理が現在のところ急冷却には向かないとして、流行ってはいませんが、二次冷却として冷却水を仲介させて、水冷のパーツに組み込んだ仕様のものを製作する自作の方もおられます。